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大東文化大学法学部政治学科教授小倉いずみのホームページです。

Izumi Ogura

Professor of English
Department of Political Science
Daito Bunka University

** Academic Achievement **   

政教分離Separation of Church and State

出版情報2014年3月
科学研究費による政教分離のプロジェクトで研究成果最終報告書としてミネルヴァ書房から『日米における政教分離と「良心の自由」』が公刊されました。ミネルヴァ人文・社会科学叢書196のシリーズに収められています。価格は6000円です。
 小倉にとっては萌芽研究で行ったコネチカット州ハートフォードの創設に関する研究をさらに政治と宗教の両面から分析し、トマス・フッカーの政治的な思想を扱った研究となっています。マサチューセッツとコネチカットの勅許状の相違も検討しており、マサチューセッツ植民地に関する研究の続編でもあります。本書にはデヴィッド・ホール先生の論文が一編翻訳され、掲載されています。
出版情報2013年11月
ミネルヴァ書房『アメリカ文化のキーワード55』は11月に出版されました。編集は笹田直人、野田研一、山里勝己先生です。『イギリス文化のキーワード55』はすでに出版されており本書はそのアメリカ版です。
 小倉は「宗教」と「新興宗教」を担当しました。「宗教」では植民地時代の初めのピューリタニズムからアメリカ革命の時代までの変遷をわかりやすい言葉で説明しています。「新興宗教」ではアメリカ革命以後の政教分離かによって衰退した会衆主義や長老主義に触れ、19世紀に始まるモルモン教やシェーカー教徒などを中心にミレニアリズム(至福千年)思想を解説し、現代の新興宗教にも言及しています。
科学研究費
基盤研究Bによる研究課題「日米における政教分離の起源と展開」(研究代表者和田守、大東文化大学名誉教授)は2014年3月に終了しました。
 研究代表者と研究分担者、海外共同研究者は以下の通りです。和田守大東文化大学名誉教授、千葉眞国際基督教大学教授、大西直樹国際基督教大学教授、小倉いずみ大東文化大学教授、加藤普章大東文化大学教授、佐々木弘通東北大学教授、五味俊樹大東文化大学教授。ハーバード大学神学大学院教授デヴィッド・ホール、ジョンズ・ホプキンズ大学英文学部教授ラーザー・ジフ。
研究内容
政治と宗教をめぐる問題は、世界史の中の大きな問題でした。キリスト教と他の宗教との争い、国家の中での政治と宗教の距離、人々の心の中の宗教、などを政治学、文学、歴史、文化の観点から研究しています。過去の私たちの政教分離の研究を基盤にして、アメリカ植民地時代の宗教、宗教のアメリカ革命への影響、アメリカ合衆国憲法修正第一条における宗教の実践の自由に関する条項や国教樹立の禁止の条項、を分析します。
 新しい観点としては、日本の政教分離についても研究しています。戦後の日本国憲法のもとで政教分離が確立したと思われますが、靖国問題は日本における政治と宗教の位置を象徴しています。
 日本とアメリカは強い同盟関係にありますが、キリスト教を背景に建国されたアメリカと、長い仏教の歴史を持つ日本は、宗教的に独自の文化を作り上げています。宗教が人々の心にどのような影響を及ぼしてきたのかを、日本とアメリカの両方の観点から研究します。
研究実績
海外共同研究者のデヴィッド・ホール先生を二回日本に招聘しました。
2009年1月の来日では、大東文化大学、国際基督教大学、東京大学、学習院大学で講演を行いました。
2010年9月の来日では、大東文化大学、東北大学、国際基督教大学東京大学、和洋女子大学で講演を行いました。
2012年5月には、ユタ大学政治学部教授ロナルト・レベナー先生の講演会を開催しました。
2013年2月に政教分離に関するプロジェクトでは、研究合宿を行ないました。小倉はマサチューセッツとコネチカットの宗教について報告しました。
2013年11月にデヴィッド・ホール先生が来日されました。本研究では講演を開催しませんが、研究分担者との懇談会を行ないました。なお2014年度から2015年の夏まで、ホール先生はロスアンゼルスのハンチントン図書館のフェローとなっています。
この政教分離の基盤研究Bは2013年度で終了しました。継続課題は未定です。
2014年2月に研究成果がミネルヴァ書房から単行本として出版されました。研究分担者全員による複数の論文、ホール先生の論文の翻訳、序文とあとがき、索引など本格的な学術出版ですが、一般の方々にも読んでいただけるように、わかりやすく書かれています。
ホール先生
2013年11月6日から20日までハーバード大学神学大学院教授のデヴィッド・ホール先生が来日されました。この招聘は上智大学の増井志津代教授の科学研究費により行われ、11月9日土曜日に初期アメリカ学会主催の講演会が行われました。先生の講演 "Ideas in Motion: The Fascinating History of Transatlantic Calvinism"の要約は、最新号の初期アメリカ学会『ニューズレター』に掲載されています。ホール先生は2014年度はロスアンゼルスにあるハンチントン図書館のフェローとして研究を続けています。

ホール先生の著書Reforming People (2011)がWilliam and Mary Quarterlyの最新号で書評に取り上げられました。
 アメリカの植民地時代研究では、文学においてはNew England Quarterly (NEQ)、歴史ではWilliam and Mary Quarterly (WMQ)がもっとも権威ある学術誌とされています。ニューイングランド・クォータリーは時代の範囲が広く、1630年代から1860年代くらいまでのアメリカ文学を扱っています。ウィリアム・アンド・クォータリーは文学はほとんど扱われず、歴史と政治が中心の学術誌ですが、論文審査と書評が厳格なことで知られています。また歴史研究の最先端の学術誌なので、アメリカ史だけでなくカリブ海地域やアフリカにおける奴隷、ヨーロッパとのtrans-Atlanticな関係など、多様な主題を扱うことで知られています。
 ホール先生は本拠地がボストンですから、ニューイングランド・クオータリーの編集委員は同僚が多いので、書評はあまり批判的ではないとおっしゃっています。歴史の観点から文学を扱うことが多いので、ホール先生はウィリアム・アンド・クォータリーの書評を重視していて、ここで好意的な書評が出るとホッとするそうです。
 Reforming Peopleはホール先生が日本で行った講演をペースに書いておられるので、内容が一般大衆向けで読みやすくなっています。植民地時代の民主主義の発展など、ピューリタン社会でもGeneral Courtと呼ばれる植民地総会議が大きな権限を持つようになったプロセスを解説しています。先生の英文もあまり難しくないので、ぜひご覧ください。Prefaceには先生と親しい4人の日本人の名前が言及されています。政教分離のページに掲載されている研究者たちです。
海外学術調査
毎年、研究代表者と研究分担者はアメリカで資料収集や現地調査を行なっています。またボストンを中心として、ニューヨーク、ハートフォード、コンコード、レキシントン、ワシントン、サンフランシスコで、移民や政治に関する調査を行なっています。ハーバードではホール先生と、ハートフォードではジフ先生と意見交換をしています。またハートフォードではアメリカ史の専門家や学芸員、フッカーの子孫など、研究にかかわりのある人々と交流しています。
国内での活動
研究代表者と研究分担者は、毎年合宿を行なっています。各自の研究の進捗状況やホール先生とジフ先生との打ち合わせ内容、招聘を行なった場合は会計報告、などの情報を共有しています。
研究合宿
2013年2月 熱海合宿
 研究発表参加者:加藤普章、大西直樹、千葉眞、和田守、小倉いずみ。
2012年2月20日〜22日 熱海合宿
 研究発表参加者:加藤普章、大西直樹、千葉眞、和田守、佐々木弘通、
 小倉いずみ。会計報告:小倉いずみ
2011年2月19日〜21日 熱海合宿
 研究発表参加者:五味俊樹、千葉眞、大西直樹、佐々木弘通、和田守、
 小倉いずみ。会計報告:小倉いずみ
2010年2月19日〜21日 焼津合宿
 研究発表参加者:佐々木弘通、小倉いずみ、大西直樹、千葉眞、五味俊樹、
 和田守。会計報告:小倉いずみ

政教分離に関するプロジェクト

2005年~2008年度
科学研究費補助金基盤研究B「アメリカ合衆国憲法と政教分離に関する研究」
1999年~2001年度
科学研究費補助金基盤研究B「アメリカ独立革命にいたる英米の政教分離に関する研究」
2006年3月
『歴史のなかの政教分離――英米におけるその起源と展開』を彩流社から出版
2011年4月
海外共同研究者デヴィッド・ホール著 A Reforming People (2011)を出版。この中には、ホール先生が日本で行なった講演の原稿が含まれています。また序文では、日本の研究者との交流について言及があります。ホール先生は植民地時代のアメリカ文学の権威ですが、本著は政治や宗教、民主主義の成立など、多岐にわたる研究成果が収められています。
2013年11月
2013年11月にホール先生が来日されました。
2014年3月
2014年3月に研究分担者全員が執筆した論文を収録した単行本『日米における政教分離と「良心の自由」』をミネルヴァ書房から出版しました。

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