大東文化大学法学部政治学科教授小倉いずみのホームページです。

Izumi Ogura

Professor of English
Department of Political Science
Daito Bunka University

** Academic Achievement **   

大学における研究の動向とプロジェクトの進行状況をお知らせします

Academic Achievementは、アメリカ植民地時代研究と19世紀アメリカ文学を研究対象とするサイトです。日本学術振興会による科学研究費のプロジェクトの内容をお知らせしたり、研究者の学会発表を広く一般に広報することを目的としています。過去23年間(1998-現在)に科学研究費でサポートされたプロジェクトの紹介をしています。

TOPICS

  • 2021年3月11日と12日にNortheast MLAで発表と司会を担当しました。パネルのタイトルは"Reform and Social Justice in 19th-century American Literature"で、Part 1とPart 2に分けて7名の発表がありました。セッションは海外共同研究者のGary Grieve-Carlso先生と一緒に計画したので、二人で司会をする予定でした。しかしアブストラクトが8名から出されたたため、パネルとして行うには人数が多いので二つのパートに分けました。グリーブカールソン先生がパート1の司会を行い、私の発表は彼の司会のもとで行われました。
     私の発表のタイトルは"Emerson's Lectures on Abolition during the Civil War"で、エマソンがリンカーン大統領に会ったエピソードから始め、ワシントンで行った講演"American Civilization"を分析し、その後もう一つの講演"Fortune of Republic"を解説しました。この二つの講演はエマソンの没後に編集者のCabotにより改ざんされ、原形が復元されたのは21世紀に入ってからです。19世紀のヴィクトリア時代のお上品伝統に影響され、奴隷制廃止の過激な部分は削除されていました。私の発表はその改ざんされた部分を取り上げて、奴隷制廃止に貢献したエマソンの評価を広めることを目的としました。またリンカーンが暗殺された直前に、エマソンは『日記』に戦後構想を書いています。あたかも大統領の遺志を継ぐかのように書かれたエマソンの理想を、発表で紹介しました。
     パネルのパート2では4人の発表が行われました。19世紀のニューヨーク北部にあったAuburn刑務所の改革とそこに収容されいた黒人のNarrativeを分析した発表、ドイツのニーチェとエマソンの哲学の比較、鈴木大拙とエマソン、ウィリアム・ディーン・ハウエルズが描いた19世紀末の金権中心主義などの発表があり、最期にコメントと質問が行われました。
     2020年は新型コロナウイルスの影響から対面の学会が不可能となり、Northeast MLAはオンライン会議になりました。しかし会議を主催するプラットフォーム会社がしっかりしており、会費を払ってログインすると、全員がファイルを共有できるように設定されていました。またセッションのテクニカル・アシスタントが見守ってくれたので、私は司会者でしたが全く問題なくセッションを運営出来ました。また英語のキャプションが同時に画面に出るので、発言が文字で読めるので助かりました。オンラインですので、セッションに参加した人の名前も残り、さらに"I like it"にクリックした人の名前も出ていました。対面だと出席者の顔しか見られませんが、オンラインでは後からセッションを聞いてくれた人の名前もあり、とても便利だと思います。
  • 新しい研究が始まりました。2020年度から2023年度まで科学研究費補助金基盤研究Cのプロジェクト「分断するアメリカ社会におけるエマソンの横断的知性と奴隷制廃止運動」です。ピューリタニズム研究から建国期の啓蒙主義思想に至る研究の継続です。19世紀のアメリカ思想の指導者であるエマソンがどのように奴隷解放に尽力したのかを1840年代から70年代までを中心にして探究する予定です。私はすでにアメリカの学会ではNortheast MLAやThoureau Societyで発表していますが、さらに拡大してエマソンの講演を分析します。
     エマソンは1830年代の自然論が有名で、政治的には無縁の哲学者と考えられていました。しかし1990年代から彼の思想の政治的な面を取り上げる研究者が増えています。19世紀はヴィクトリア時代のお上品伝統から、エマソンの過激な奴隷制反対運動は取り上げられませんでした。しかし、彼は1844年の「英国領西インド諸島の奴隷解放記念講演」から奴隷制の悪について発言し始めます。50年の逃亡奴隷法には強硬に反対して51年と54年に講演を行っています。南北戦争が始まると、奴隷解放宣言をリンカーン大統領から引き出すために頻繁に講演を行いました。多くの政治家と交流したエマソンは、講演を通して人々に奴隷解放を訴えます。
     本研究は今まで見逃されてきたエマソンの政治的な側面を激動する社会の中で浮かび上がらせます。現在の分断するアメリカ社会は奴隷解放宣言以降の黒人の地位と大きく関係しています。19世紀の人々がどのように奴隷解放を行ったのか、また戦後どのように黒人を自立させようとしたのか、それを阻んだ南部の白人社会はどのようなメンタリティを持っていたのかを探ります。                                   

NEWS新着情報

2021年5月1日
Northeast MLAで発表と司会をしました
2020年9月11日
科学研究費の基盤研究Cが始まりました。
2020年3月20日
学術図書の出版についてお知らせしました。ボストンで開催されたNortheast MLAの報告をしました。
2019年9月22日
学会の発表に関する報告を科学研究費のページに移しました。
2019年7月6日
全米ソロー学会での研究発表と科学研究費学術図書の出版についてお知らせします。
2019年2月5日
ワシントンDC郊外のナショナルハーバーで開催されるNortheast MLAでの研究発表についてお知らせします
2019年1月1日
新年が始まりました。新しいプロジェクトの1年にしたいと思います
2018年7月28日
6月に行われたマイケル・コラカチオ先生の講演会とサラ・ワイダー先生の講演会についてお知らせしました。
2018年1月6日
日本英文学会『英文学研究』に書評を執筆しました
2017年11月20日
日本ソロー学会からソロー生誕200周年を記念する英文論集が出版されました
2017年7月22日
アメリカ合衆国マサチューセッツ州コンコードで開催されたヘンリー・デヴィッド・ソロー生誕200周年記念大会において発表しました
2017年5月20日
『英語教師力アップシリーズ@英語圏文化・文学の基礎知識』が出版されました。
2017年4月10日 
新年度が始まりました。7月の全米ソロー学会についてお知らせしました。
2017年3月6日
3月25日に予定されているアメリカでの研究発表についてお知らせしました
2016年12月25日
今年度の成果は科学研究費のページに移動しました。
2016年10月12日
デヴィッド・ホール先生とアラン・ローソン先生の来日についてお知らせしました。11月の小倉の講演会と2017年3月のアメリカ合衆国での研究発表についてお知らせしました。
2016年8月1日
新しいバージョンでホームページを作成しています。古いパソコンのホームページ情報を移行しました。見た目と内容はほとんど変わりません。
2016年6月20日
研究発表を終了しました。
2016年4月1日
科学研究費の基盤研究Cが始まります。
2016年3月18日
新刊情報を掲載しました。学会発表の予定をお知らせします。
2016年1月10日
タイトルページを更新しました。日本ソロー学会の2016年度の全国大会の期日が決まりました。
2015年11月20日
すべてのページを更新しました。
2015年9月20日
ホームページの写真を増やしました。科学研究費のページではミニットマン像、アメリカの都市のページではニューヨークのオランダ関係の写真、アメリカ・ルネサンスのページではエマソンの家とブロンソン・オルコットの実験農場Fruitlands、都市2ではウォールデン湖の写真が加わっています。
2015年8月30日
夏休みのアメリカの現地調査についてお知らせしました。科学研究費の進捗状況は科学研究費補助金のページに移動しました。
2015年6月25日
10月の日本ソロー学会の創立50周年記念大会についてお知らせしました。挑戦的萌芽研究の進捗状況について解説しました。
2015年4月10日
新学期が始まりました。今年度から時間の余裕ができましたので、ホームページを充実する予定です。
2015年3月15日
ホームページはメイン・サイトでご覧いただけます。メイン・サイトは以下のとおりです。http://aachieve.server-shared.com/~izumi/ なお旧OCNのホームページは2月28日で閉鎖されました。
2014年12月25日
古いホームページは新しいホームページに自動転送されます。
2014年11月3日
ホームページを引っ越しました。新しいサイトをご覧ください。こちらはサブ・サイトです。http://www.aachieve.server-shared.com/~izumi/
2014年10月10日
日本ソロー学会の全国大会の報告をしました。
2014年9月17日
ホームページの引越しについてお知らせしました。
2014年9月1日
夏休みのアメリカの現地調査についてお知らせしました。
2014年7月10日
10月3日開催の日本ソロー学会全国大会のお知らせを掲載しました。
2014年5月5日
4月1日より日本ソロー学会の会長となりました。
2014年4月6日
科学研究費の挑戦的萌芽研究が始まります。
2014年3月15日
『日米における政教分離と「良心の自由」』が出版されました。
2014年2月15日
ホール先生のReforming Peopleがアメリカの学術誌で書評されました。
2014年1月31日
新年のご挨拶をしました。
2013年12月30日
タイトルページで2013年を振り返りました。
2013年12月1日
新刊情報を掲載しました。
2013年11月7日
『アメリカ文化のキーワード55』が出版されました。ホール先生が来日されました。講演の日程を掲載しました。政教分離のページを更新しました。
2013年9月7日
アメリカの現地調査についての報告を加筆して、科学研究費のページに移しました。
2013年8月16日
『アメリカ文化のキーワード55』の予告をしました。
2013年8月1日
アメリカの現地調査についての情報を更新しました。
2013年7月6日
ホームページを開設して2年となりました。ホール先生来日情報を更新しました。
2013年6月8日 
次回の研究発表は日本ソロー学会のシンポジウムです。ウィリアムズ・ジェイムズの記事はエマソンのページに移動しました。
2013年5月5日
ボストン・マラソンはアメリカの都市のページに移動しました。
2013年4月29日
夏休みの現地調査について追加しました。
2013年4月18日
新学期が始まりました。
2013年3月12日
3月11日は東日本大震災から2年目となりました。記事は研究の多様化のページでご覧いただけます。
2013年3月1日
チョコレート事情は研究の多様化のページに移動しました。
2013年2月18日
挑戦的萌芽研究「知的フロンティアとしてのコネチカット州ハートフォード」の研究成果報告書を出版しました。
2013年2月14日
バレンタインデーにアメリカのチョコレート事情をお知らせします。
2013年1月23日
アメリカの現地調査の情報はタイトルページからアメリカの都市のページに移動しました。
2013年1月14日、28日
シェパード・ホルコム氏死去についてお知らせしました。
2013年1月10日
新年のご挨拶を掲載しました。
2012年12月28日
タイトルページで2012年を振り返りました。
2012年12月16日
8月の現地調査に関する情報はタイトルページからアメリカの都市のページに移動しました。
2012年11月17日
写真を更新しました。科学研究費補助金のページ、アメリカ・ルネサンスのページ、都市(続き)のページを最新の情報にしました。
2012年11月1日
英語のページEnglish Pageを開設しました。これにともない、コットンとフッカーのページは英語に変わります。いままでの日本語はそのままですが、上段はAcademic Achievementのプロジェクトすべてを英語でお知らせします。
 English Page is opened on November 1, 2012. Academic Achievement covers various fields from Puritanism in America to American Renaissance and has a specific page for each topic of my projects. English Page informs you of all recent changes and events in one page and aims to develop my grant projects in the States.
2012年10月1日
『ソローとアメリカ精神――米文学の源流を求めて』が出版されました。
2012年9月15日
8月から9月にサチューセッツ州とコネチカット州の現地調査に行きました。
2012年7月8日
研究の多様化のページを更新しました。都市(続き)のページも更新しました。
2012年7月1日
ホームページを開設して一周年となりました。科学研究費のページを更新し、研究分担者を掲載しました。コットンとフッカーのページで、ハートフォードの紹介を更新しました。
2012年5月27日
日本英文学会のシンポジウムは無事に終了しました。ソロー没後150周年記念論集『ソローとアメリカ精神――米文学の源流を求めて』は、科学研究費補助金の学術図書に内定しました。
2012年5月13日
レベナー先生の講演会の様子をお伝えしました。ソロー没後150周年記念論集『ソローとアメリカ精神――米文学の源流を求めて』の予告を修正しました。
2012年4月17日
ユタ大学教授ロナルド・レベナー先生の講演会の詳細を掲載しました。
2012年3月23日
政教分離の科学研究費プロジェクトのページに加筆しました。
アメリカ・ルネサンスのページの写真を旧牧師館に入れ替えました。
バナー・スペースの「都市」をクリックすると、ウォールデン湖のワイマン・メドウがご覧になれます。
2012年2月10日
ソロー没後150周年記念論集の予告を修正しました。
2012年2月2日 
タイトル・ページを修正したため、バナーの順番が変わりました。日本英文学会のシンポジウムは、発表順に変わりました。
2012年1月10日
ソロー没後150周年記念論集の予告を、タイトルページに公開しました。
2011年12月20日
科学研究費補助金、コットンとフッカー、アメリカ・ルネサンスのページにある記述に加筆しました。
2011年11月5日
タイトルページの写真を新しくしました。ニューヨーク市マンハッタンにあるセントラル・パークです。2011年8月26日にロックフェラー・センターの屋上から北側を撮影したものです。地平線まで見渡せる美しい夏の午後です。
2011年10月25日
「都市」のページの写真を入れ替えました。バナー・スペースの「都市」をクリックすると、Cities and Towns (続き)でご覧いただけます。「アメリカの都市」からレキシントンの部分をこちらに移動しました。コンコードの情報を中心に、ウォールデン湖やレキシントンを扱っています。また、アメリカ・ルネサンスのページで、写真をエマソン・ハウスに入れ替えました。
2011年7月1日
ホームページを開設しました。
2011年7月1日
バナー・スペースに掲載されている写真の解説をします。上段はニューヨーク市マンハッタンにあるロックフェラー・センターの屋上展望台から南向きに、エンパイア・ステート・ビルを見ています。中央の写真は、コネチカット州ハートフォードにある1638年の移住を記念した碑です。Safe Arrivalというタイトルがついています。現在は、保険会社の敷地内にあります。下段は、ボストンのコプリー・スクエアからハーバード大学の方向を見ています。チャールズ川にかかる橋は、ハーバード・ブリッジです。ウィリアム・フォークナーのAbsalom, Absalom!(1936)に登場する有名な橋です。
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